呉昌碩(ごしょうせき)

画家・書家・篆刻家  1844-1927    浙江安吉生れ。

書画、篆刻いずれも当代に傑出。10歳頃から刻印を好み、歴代印人や秦漢称印(じいん)の長所をとって新機軸を拓き、40代まで刻印によって生活した。ただし、書も刻印も30代以後より終生追求した石鼓文研究に負うところが大きく、画は50歳すぎから始めたといわれ、花卉画を最も得意とした。画風は徐渭、石涛を範として、写意的な花卉の技法は趙之議の影響を受けたが、変化に富んだ色彩は濃艶で重厚であった。画格は豪放で、筆墨は篆刻と金石の要素を加味して風趣に富んだ独特の境地を開き、趙之謙流の激しい画風の作品を画いた。日本や中国の書画刻家に与えた影響は多大であり、多数の著書がある。